部屋の天井の一部が低いことを「折下げ天井」とか「下がり天井」と言います。
反対に一部が高い天井を「折上げ天井」といいます。
「折下げ天井」を設計する際には以下のようなメリットを狙う意図があります。
◎天井の高さに変化を付けることによって天井面に表情を演出
白など単一色の平らなだけの天井ではシンプルすぎてつまらないと思える時には天井高さに変化を付けて空間を演出できます。
平らな天井面で材質や色だけを変えるのは不自然なので境界で段差を付けるとしっくりします。
◎換気の配管などをうまく隠すため一部の天井を低くします
アイランドキッチンの換気配管をうまく屋外に導くため、一部の天井を低くします。
キッチン部分の天井を低く抑えることで隣のリビングを広く見せる視覚効果が生じます。
◎高い天井を際立たせる
天井が高いと開放感を与える空間となりますが、この高さをさらに際立たせるために逆に一部を低い天井にします。
◎天井を下げることで落ち着いた空間演出が可能な場合があります
和室や床に寝そべって暮らす空間の場合は天井が高すぎると落ち着かないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そのような感覚をお持ちの方には通路や椅子の生活空間の天井を高くして視点が低い生活空間部分では天井を下げると良いでしょう。
◎天井間接照明を仕込むために段差を造作します
天井面を照らす間接照明を設置する場合の手段として天井高さのギャップを利用して照明器具を設置できます。
ケースとしてキッチン部分の天井高を低くして周囲に間接照明を仕掛ける演出はしばしば見られます。
◎窓上の垂れ壁を無くしたり窓枠を隠すことにより、建物の内外の連続性を演出します
建物の内外を視覚的に連続させることで開放的空間を演出したいと考える場合があります。
この一つの手法として、室内天井面と軒先天井面を連続させます。
このためには窓の上に垂れ壁があると邪魔になります。
この垂れ壁を排除するために天井面を窓の高さにあわせて下げる手法があります。